一級建築士に合格した瞬間、多くの人が達成感と同時にこんな疑問を抱きます。
「この資格を、これからどう活かせばいいのだろう?」
試験合格はゴールではなく、キャリアの分岐点です。
選ぶ進路によって、働き方・年収・生活の自由度は大きく変わります。
この記事では、一級建築士に合格した後に選ばれやすい5つのキャリア選択肢と、
後悔しないために考えておきたい進路の考え方を整理します。
一級建築士合格後に多くの人が悩む理由
一級建築士は、取得までに長い時間と労力がかかる資格です。
そのため「せっかく取ったのだから失敗したくない」と慎重になり、逆に動けなくなる人も少なくありません。
私も3年動けないままでしたので、よくわかります。
よくある悩みは次のようなものです。
- 今の会社に残るべきか、転職すべきか迷っている
- 独立に興味はあるが、現実的に可能か分からない
- 年収を上げたいが、どうすればいいか見えない
- 周囲と比べて焦りを感じている
重要なのは、「正解の進路」は一つではないということです。
自分の価値観やライフステージによって、最適な選択肢は変わります。
キャリア選択肢①:設計・技術者として専門性を深める
最も王道なのが、設計や構造、設備などの専門分野をさらに深める道です。
一級建築士の資格を武器に、難易度の高い案件や責任ある立場を任されるようになります。
この進路の特徴は以下の通りです。
- 技術力で評価されるため、実力が可視化されやすい
- 経験を積むほど希少性が高まる
- 一方で、業務量や責任が増えやすい
「建築が好き」「技術を磨き続けたい」という人にとっては、納得感の高いキャリアです。
多くの方が建築士になろうと思った理由について考えると、この選択肢がメジャーであることは明らかです。
ただし、体力や時間の制約をどう受け止めるかは、事前に考えておく必要があります。
キャリア選択肢②:転職して環境を変える
一級建築士を取得すると、転職市場での評価は確実に変わります。
(転職サイトでは、一級建築士取得前後で明らかにスカウトやメッセージの量が増えたと感じました。)
設計事務所、ゼネコン、デベロッパー、コンサルなど、選択肢が広がるのが特徴です。
転職によるメリットは、
- 年収や待遇の改善が期待できる
- 自分に合った分野・規模の会社を選びやすい
- これまでとは違う視点の経験を積める
一方で、資格があるからといって必ずしも理想の職場に行けるわけではありません。
特に設計業務未経験の状態で、設計したいんです!と訴えても、即戦力を求める企業の人事には響かないでしょう。泥臭く、今までのキャリアをこんな風に活かすことで、設計の業務に貢献できるという姿勢を表現することが大切です。
また、「どんな働き方をしたいのか」「何を大切にしたいのか」を整理した上で動くことが重要です。
キャリア選択肢③:独立・開業を目指す
一級建築士の象徴的な進路として、独立・開業があります。
自分の裁量で仕事を選び、設計に向き合える魅力的な選択肢です。
ただし、独立は「資格があればすぐできる」ものではありません。
- 営業・経理・契約など、設計以外の業務が増える
- 収入が不安定になる可能性がある
- 実務経験や人脈が大きく影響する
そのため、いきなり独立するよりも、会社員+副業など段階的な準備をする人も増えています。
独立は夢ではありますが、冷静な計画が必要な選択肢です。
また、ここが一番重要ですが、一級建築士の資格がとれたからといって、そのまま一級建築士として開業することはできないことに留意が必要です。
建築士として独立・開業をするためには、必ず建築士として設計・監理等の業務を3年以上経験して「管理建築士」という別の資格を取得する必要があります。
施工管理のみをやっていた方は、異動や転職で、建築士業務のできる建築士事務所に所属し、実務経験を取得しなければ、そもそも開業の道が開けていないため注意が必要。
キャリア選択肢④:マネジメント・管理職に進む
技術者としてだけでなく、プロジェクト全体を動かす立場に進む道もあります。
設計監理やプロジェクトマネージャー、管理職などがこれに該当します。
この進路の特徴は、
- 技術力+調整力・判断力が求められる
- 組織内での影響力が大きくなる
- 設計実務からは少し距離ができる場合もある
「人を動かす仕事がしたい」「全体を俯瞰する役割に興味がある」人に向いています。
建築士としての視野を広げたい場合、有力な選択肢です。
建築士はそもそも現場などのマネジメントが仕事の一環です。マネジメントを自分の仕事に取り入れることで、建築士としての力量は大きく伸びるでしょう。
一見、建築士取ったくらいでマネジメント(管理職)なんて・・・と思う方もいるでしょう、しかしながら一級建築士取れない人でマネジメント(管理職)なんて・・・と思う方が自然じゃないでしょうか?
建築士を持っていない方よりも、持っている方に管理職の選択肢が増えていることは間違いないのです。
キャリア選択肢⑤:学び直し・複業で可能性を広げる
近年増えているのが、学び直しや複業を組み合わせるキャリアです。
社会人大学院で学ぶ、建築知識を発信する、副業として相談業務を行うなど、形はさまざまです。
この選択肢のメリットは、
- 建築+別分野の掛け算ができる
- 将来の選択肢を増やせる
- 収入源を分散できる可能性がある
資格を「一つの肩書き」で終わらせず、キャリア資産として育てていく考え方とも言えます。
自己啓発の延長戦のようなものですね。
しかし、この選択肢には大きな注意点がありますのでお伝えしておきます。
キャリア資産の育成、つまり「自己研鑽」は続けることが望ましいので、止める必要は無いですが、それだけをしていてはお金に還元されません。どこかのタイミングで自己研鑽で積み上げたキャリア資産を活かした自分の表現方法を見つけることに注力することが超重要です!!!
後悔しない進路を選ぶための3つの考え方
1. 他人の正解を追わない
SNSや周囲の成功例は参考になりますが、同じ道が自分に合うとは限りません。
他の人のことなぞ気にするだけ無駄です。成功している人と比較して落ち込む必要はありません。自分の成功を信じて突き進みましょう!
2. 今後10年を想像する
今の不安・不満だけでなく、「10年後にどうなっていたいか」を考えることで判断がぶれにくくなります。
最終的にどうなりたいか、ここが1点に定まっている人はそもそも後悔などしないと思うのです。
3. すぐに決めきらなくていい
キャリアは一度選んだら終わりではありません。
小さく試し、修正しながら進むことも立派な戦略です。小さな一歩が踏み出せない人は、超小さな一歩踏み出してみればいいだけですから。
まとめ
一級建築士に合格した後のキャリアには、明確な正解はありません。
重要なのは、資格をどう活かし、どんな人生を送りたいかを考えることです。
- 技術を極める
- 環境を変える
- 独立を目指す
- 組織を動かす側に回る
- 学び直しで可能性を広げる
どの選択も間違いではありません。
あなた自身が納得できる進路こそが、後悔しないキャリアにつながります。

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