
社会人になって数年経つと、誰しも一度は考えるのが「このままでいいのだろうか」という疑問。
仕事には慣れ、生活も安定してきたけれど、どこか満たされない。
そんな中で「学び直し(リスキリング)」という言葉を耳にし、自分も何かを変えたくなる人は少なくありません。
実際、私自身も建築士として働く中でこの違和感を感じ、「働きながら大学院に通う」という選択をしました。
この記事では、社会人が学び直しによってどう人生を再設計できるのか、そして建築士として再構築したキャリアの実例をもとにお話しします。
なぜ社会人は“学び直し”を考えるのか?
きっかけは「成長が止まった感覚」
社会人になると、日々の仕事に追われて新しい学びを後回しにしがちです。
私も同じでした。資格を取り、仕事に慣れ、評価もそれなりに得ていたけれど、
「このまま同じ毎日を繰り返しても、自分は何も変わらない」――。
そんな焦りが、学び直しの原動力になりました。
「もう一度、自分の頭で考えたい」
「新しい分野に触れて、思考を広げたい」
「止まっていた(止めていた)自身のキャリアを進めたい」
そう思った瞬間が、社会人が再び学びの扉を叩くタイミングなのです。
社会人が“学び直し”で得られる3つの変化
① 思考の深さが変わる
大学院での研究や、再学習のプロセスを通して感じたのは、「考える力」が磨かれたことです。
建築の仕事は、図面を描くだけでなく、クライアントの要望・法規・構造・デザインを総合的に考える力が求められます。
学び直しをすることで、日常の仕事にも“根拠ある判断”ができるようになり、
「なぜそう考えるのか?」を説明できる力が身につきました。
これはまさに、「勉強」ではなく「思考の訓練」。
学び直しの最大の価値は、ここにあります。
~コラム~
私は思慮深い方では無く、深く考えることができたら人生が豊かになるのにとずっと思っていました。この悩みはスマホ世代全体の悩みだと思いますが、”思慮深さ”とは考える時間を作ることができれば、自然と得られるスキルなのだと思います。スマホを置き、一つの物事を諦めずに考えることを続けてください。また、教養を深めることで考える視点を増やすことも重要です。
② 人との関係が広がる
社会人大学院に通うと、20代から50代まで、さらには留学生など、さまざまな境遇の人たちが集まります。
その環境が本当に刺激的でした。
建築業界にいると、どうしても「業界内の常識」に縛られがちですが、
異なる境遇の仲間との議論は、自分の固定観念を壊してくれます。
「そういう考え方もあるんだ!」と新たな視点の発見をすることもあれば、異なる分野を学習することで本職の分野で今まで知らなかったことを知り”点と点が繋がった”ような感覚になることもあります。
仕事の幅も自然と広がり、気づけば新しいプロジェクトに関わるチャンスも増えていくことでしょう。
学び直しは、知識はもちろん、「人脈資産」も築ける場なのです。
③ 自分の軸が明確になる
学び直しの過程では、自分が「本当に大切にしたいこと」に向き合う時間が増えます。
私の場合、大学院で建築計画を研究するうちに、
「建物をデザインすること」よりも「人がどう空間を使うか」という視点に惹かれていると気づきました。
その気づきが、キャリアの方向性を再設計するきっかけになったのです。
「学び直し=転職や資格取得」ではなく、
“自分の軸を取り戻すプロセス”と捉えると、その意味はぐっと深まります。
資格取って終わり、大学院修了して終わりとならないよう、通過点であることを忘れないでください。なぜ自分が勉強を始めたのか、初心に立ち返ることが重要だと思います。
建築士が実感した“学び直し”のリアル
働きながら大学院に通うのは想像以上に大変
正直に言うと、仕事と学業の両立は甘くありません。
平日は残業、帰宅後、休日はレポート、授業の復習や研究。
それでも、時間を捻出する工夫を重ねることで、なんとか乗り越えました。
ポイントは「毎日少しでも机に向かう習慣を作る」こと。
勉強量よりも“継続力”が問われるのが、社会人の学びです。
→ 関連記事:働きながら一級建築士に合格する人・挫折する人
得たものは「学位」ではなく「視座」
修了してみて強く感じたのは、「肩書き」よりも「考え方」が変わったことです。
たとえば、課題に取り組む際も「問題を解く」ではなく「問いを立てる」ことが自然にできるようになりました。
これはどんな仕事にも直結します。
顧客の要望をそのまま受け取るのではなく、「なぜそう思うのか?」を掘り下げて提案できるようになったことで、プロジェクトの質も大きく向上しました。
学び直しは、“知識を得ること”よりも“自分を再定義すること”なのです。
社会人が“学び直し”を成功させる3つのコツ
① 目的を言語化する
「なんとなく学びたい」では続きません。
最初に「なぜ学びたいのか」「学んでどうなりたいのか」を紙に書き出しておくと、迷ったときの軸になります。
② 学びを生活の“習慣”に落とし込む
毎朝30分、通勤中の1テーマ復習など、勉強を“イベント”にせず“生活の一部”にすることが継続のコツ。1日5分でもいいので、習慣化しちゃいましょう。
「やる気が出たらやる!」のやる気はなかなかでないものです。
→ 関連記事:働きながら一級建築士に合格する人・挫折する人の違い
③ 家族や職場の理解を得る
社会人の学びは、周囲の協力が不可欠です。
特に家族のサポートは、精神的にも大きな支えになります。
「なぜ今、学び直したいのか」をしっかり共有しておくことが大切です。
学び直しがもたらす“キャリア再構築”の本質
学び直しとは、自分の人生の舵を再び握り直すことだと思います。
知識を増やすことが目的ではなく、“どう生きたいか”を考え直すための時間。
そして、その答えは人それぞれ違います。
資格取得かもしれないし、研究かもしれない。
でも大切なのは、「学ぶ」という行為を通じて、自分を再設計していく意志です。
私自身、建築士としてのキャリアを続けながらも、
学び直しを通して、自分のなりたい姿を再度確かめるだけでは無く、「学び得た知識をアウトプットして周囲に還元する」という新しいテーマを見つけました。このブログもその一環です。
それが今の私の、“第二のキャリア設計図”になっています。
まとめ|学び直しは、未来を変える最強の自己投資
社会人にとっての学び直しは、
“時間の消費”ではなく“未来への投資”です。
建築士として、学び直した経験を通じて断言できるのは、
「学びに遅すぎることはない」ということ。
もし今、あなたが「このままでいいのかな」と感じているなら、
その違和感こそが、人生を再設計するサインかもしれません。


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