
■なぜ社会人の一級建築士受験は難しいのか
「勉強時間が取れない」「疲れて集中できない」「気づけば教材がホコリをかぶっていた」——。
働きながら一級建築士を目指す人の多くが、同じ悩みにぶつかります。
実際、社会人受験生の合格率は学生よりも低め。
ですが、“頭の良さ”よりも“続けられる仕組み”を持つ人が、最終的に合格していきます。
この記事では、合格する人と挫折する人の違いを、「目的・習慣・環境」という3つの視点で解説します。
■第1章:目的がある人は強い、目標だけの人は続かない
「一級建築士になりたい」は“目標”ですが、合格する人はその先に“目的”があります。
「設計事務所を立ち上げたい」「家族を安心させたい」「キャリアの限界を超えたい」——。
そうした“未来のイメージ”がある人は、疲れても勉強を続けられます。
一方で、「会社で評価されたい」「とりあえず資格を取っておきたい」といった曖昧な動機では、長期戦の途中で気持ちが折れやすい。
目的は前向きな方向だけでは無いかもしれません、「絶対に負けたくないライバルがいるので資格を取って差を付けたい」「嫌味を言う上司にぎゃふんと言わせたい」「客先から舐められないよう箔の付く資格が欲しい」
どんな目的でも良いのです。目的の明確さが、最後まで走り抜くエネルギーになります。
■第2章:合格する人は「仕組み」で動く、挫折する人は「気合い」で動く
「今日やる気が出たから勉強する」では、社会人は続きません。
仕事や家庭に左右されない“固定時間”を確保している人ほど、勉強が習慣になります。
学科試験対策の参考例:
- 朝6時〜6時30分:(自宅)前日の復習、前日の問題で間違えたところを中心に解説を読む
- 昼休み:(会社)動画(YouTubeや予備校動画)講座を1本視聴
- 夜21時〜24時:(自宅) 模試1分野+解説読む
このように“いつ・どこで・何をやるか”を固定化すれば、意志の力を使わずに継続できます。
また、スキマ時間には「動画講座」や「暗記アプリ」、「1問1答系の問題集」を活用するなどして、移動中等も知識を積み重ねる工夫が、積算的な勉強時間の差を生みます。
気合というのは途切れやすいものです。確実に毎週の目標をこなせる仕組み作りで自分自身を動かしていきましょう。
■第3章:合格する人は「環境を整える」、挫折する人は「我慢で乗り切る」
独学でも合格は可能ですが、「環境の差」は想像以上に大きいです。
合格する人は、勉強仲間を作る・スクールや予備校を活用する・家族に協力を仰ぐなど、周囲を巻き込む設計をしています。
スクールや予備校を活用することで、自分以外に難関試験に立ち向かう仲間がこんなにいるのかと実感することができるでしょう。それと同時に同じ試験を受ける多くのライバルがいることにも気づくことになります。こうした気づきが自分のモチベーションにも繋がる可能性もあります。
また、特に家族持ちの社会人は、「勉強する時間」を理解してもらうだけでストレスが激減します。
上記同様、会社員であれば上司や周囲の同僚に難関試験の勉強をしていることを打ち明け、昼休みの勉強や、定時で帰れる環境を整備していただけると、より勉強しやすくなることでしょう。
孤独を感じずに勉強できる環境が、長期戦を支える最大の要素です。
■第4章:合格者の1日スケジュール例と勉強時間目安
学科試験対策の場合
例:平日(30代社会人の場合)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 6:00〜6:30 | 学科復習(過去問1セット等範囲を決めるとgood) |
| 出勤中(通勤電車や車内など) | 音声(動画)講座を視聴(運転する方は聞き流し) |
| 昼休み | 暗記アプリで単語や法規などを確認 |
| 21:00〜24:00 | 製図練習・課題整理 |
製図試験対策の場合
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 6:00〜6:30 | 前日製図した内容の見直し |
| 出勤中(通勤電車や車内など) | 記述式の内容を暗記、ミニエスキス練習 |
| 昼休み | 問題文読み取り練習、エスキス練習 |
| 21:00〜24:00 | 製図・製図チェック、課題整理 |
一級建築士試験の合格までの勉強時間の目安
| 区分 | 推奨時間 |
|---|---|
| 学科 | 約800〜1,000時間 |
| 製図 | 約300〜500時間 |
| 合計 | 約1,200〜1,500時間 |
重要なのは「毎日コツコツ続ける仕組み」。
1日3時間を積み重ねれば、半年で540時間。1年間でおよそ1000時間確保できます。
もし、毎日3時間勉強時間を確保できなくても、週間で平均3時間とる、月間平均で3時間以上とるといった“できない日がある前提”で設計することが、継続のコツです。
できない日があるのはあなたのせいではありません。
■第5章:挫折しないためのメンタル設計
長期間の勉強では、「焦らない心」が最も大切です。
結果を急ぐと、途中で「自分はダメだ」と感じやすくなります。
合格者は、“短期の点数”ではなく“成長の実感”を見ています。
「昨日より理解が深まった」「週末まで継続できた」——
そうした小さな成功を積み重ねていくことが、挫折を防ぐ最大のコツです。
もちろん「次の模試で80点以上とる、その次では90点以上とる」などの設定した目標をクリアしていくことも大きな成長を実感することができます。小さい成長と大きい成長どちらも楽しめると合格に繋がると思います!
疲れたら、潔く休むことも戦略。
“休む→戻る”のリズムを設計できる人こそ、長期戦で勝ちます。
中には合格できるか不安で勉強を休むことが出来ない人もいるでしょう。しかし、常に気を張って勉強を続けるストレスは、だんだん勉強効率に悪い影響を及ぼします。
私も旅行する時まで問題集を手放さなかったタイプなのでわかりますが、問題集を持って行っても、遊んでいる時は遊びで頭が忙しいのです。そんな中で勉強しても頭に入らないのは明白です。
遊ぶときは、めいっぱい遊びましょう。その分は翌日の自分で取り戻すのです!
何事も切り替えが重要です。
■まとめ:合格する人に共通する“3つの力”
働きながら合格する人には、共通点があります。
1️⃣ 継続力(習慣化):決まった時間に淡々と勉強する
2️⃣ 自己管理力(仕組み化):気分に左右されずに動ける
3️⃣ 周囲巻き込み力(環境づくり):支えてくれる人を作る
一級建築士試験は「根性」ではなく、「設計力」で乗り切るもの。
自分の時間・生活・環境をどう設計できるか——
それこそが、“建築士らしい合格法”なのです。


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